母イチさん

today 2010(平成22)年3月31日(水)旧2月16日
100years ago 1910(明治43)年3月31日(木)旧2月21日

100331

100年ならぬ101年前の今日、ケンジ君は盛岡中学校受験のために、母親のイチさんと一緒に汽車で来盛し、ここにあった三島旅館に宿泊しています。

イチさん、この時、34歳。ケンジ君の家族と云えば、妹トシさん、父政次郎さん、弟清六さんなどが有名ですが、意外に母イチさんがクローズアップされることは、少ないようです。

作品には、母性がテーマのものもたくさんありますが、例えば、代表作 銀河鉄道の夜。ジョバンニの母親は「川へは入らないでね」と意味深な発言をしていますし、カンパネルラの母親は登場はしていませんが、彼をして「おっかさんは、ぼくを許してくれるだろうか」みたいなこをと云わしめています。

こうした表現に、ケンジ君のリアルおっかさんからの影響はないことはないと思われます。101年前、長男の石っこ賢さんことケンジ君を連れ立ってこの地に立った時の心持は、いかばかりでしたでしょうか。

イチさんは、ケンジ君没後30年の1963年に87歳で亡くなっています。長命だったんですね。1963年って自分の生まれ年だなぁと改めて、感慨深く思います。

【今日の1作品】
 銀河鉄道の夜 宮澤賢治(1896-1933)著 1931年頃
 云わずと知れたケンジ君の代表作。1924年頃初稿が執筆され、晩年の1931年頃まで推敲がくりかえされ、初出は1934年刊行の文圃堂版全集。第1次稿から4次稿まで3回にわたって大きな改稿が行われているとの由。
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